脳神経外科医から衆議院議員に転身したセンセが講師となって行われた『日本の医療の崩壊』の講演に出席。
最近、巷では″医師不足″というキーワードをよく聞きますが、自分自身が日常的にお医者さんの世話になることが少ないこととそこそこ環境の整っている都心で生活していることから、正直なところ、他人事のように思っていました。
先進国の医師数の平均が人口千人あたり約3人に対して日本は2.0人(2002年)。昭和30年代の1.1人前後から比べれば右肩上がりに増加傾向にあるものの、このままの推移でいっても先進国平均の3.0までには20年以上かかる計算です。
それに、数字で表われる医師数がそのまま医療従事者とカウントされるかというとそうではありません。現に講師のセンセだって今は国会議員であり、一切診察や治療に携わっていないわけですから。医師としての登録がされていればカウントされるというわけです。
それから現場復帰の難しさ。
特に女性は出産・子育てなどで現場を数年間離れなければならない。医療現場に関わらず、日本社会ではどこも同じ状況ではありますが・・・
医療界の進歩は、素人の僕らが考えるよりも劇的なスピードだそうで、3年とか5年現場を離れてしまったら″浦島太郎″になっちゃうらしい。
出産・子育ての環境整備はもちろん、医学医療の再教育システムの構築がない限りは彼女たちの現場復帰の道はなかなか開かれないということです・・・
勤務医と開業医、どちらが人気か?
一昔前は圧倒的に勤務医が人気があったそうです。ローテーションで長期休暇も取れたし、当直医師がいるので基本的には夜中に呼び出されることもなかったとのことが人気の理由。
一方、一人で切り盛りする町の診療所はコミュニティの一角でもあるわけだから長期に閉めることはできない。夜中に急患が運ばれて来たりします。
しかし、現在は一転。大病院に医師が集まらず、故に一人当たりの負担が倍増。悪循環に陥っているとのこと。
医師不足のもう一つの大きな要因は医療機関での死亡割合の増加にあります。
昭和26年、医療機関での死亡者の割合は10数%に対し自宅での死亡者の割合は80%以上。高度成長期、核家族化が進むにつれて医療機関での割合は年々増加、逆に自宅での割合は減少し、遂に昭和51年にその割合は逆転し、現在は医療機関80%以上、自宅10数%となっています。
何ヶ月かの入院生活を経て病院で最期を迎えるわけですから、当然、病床や医師・看護士の数を増やさなければなりません。その対応が追いついていないということでしょうか。
従来は大学医学部の医局がプールしていた人材を地域病院に派遣し、支援していたわけですが、現状ではそれも難しくなってきています。
そこで、地域の優良な病院をマグネット病院と位置づけ、その病院で地域医療に携わることが医師のキャリアアップとなる仕組みを作り、優秀な人材を地域病院に派遣していくシステムの考案がされています。
ただし、この取り組みを全国的に広げていくことができるかどうか、これからの課題かもしれません。
また、全国約20の医科系大学で入学定員の1割強を″地域枠募集″とし、各地域の医師不足解消に向けて取り組みを行っています。たとえば三重大学では100人の定員のうち、10人は″三重っ子″枠をつくっているというわけ。
ま、確約が交わされるわけではなく、あくまでもその学生さんの善意・良心に委ねなければならない話のようですが・・・
とにかく、僕らの想像を遥かに超えた″医療現場の崩壊″が起こっていることだけは確か。国会でも真剣な審議が始まっていますが、国民一人ひとりの問題意識を高めるためにももっと報道で取り上げられるべきだと思います。
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